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魔法少女、最期の選択肢・第一話

使い魔が放つ無数の鋏が空間を縦横無尽に飛び交う、魔女の空間。
薔薇園の魔女は自分のテリトリーに入られたことに怒り狂い、侵入者を排除することに躍起になっていた。
そんな魔女に相対する二人の魔法少女は、華麗に鋏の嵐をかわし続けている。金とピンクのエネルギー体が、鋏を撃ち落とし、使い魔も撃退していく。
巴マミと鹿目まどかは余裕の表情を見せながらも極めて冷静で、魔女の力を確実に削っていっていた。
やがて敵の数は減っていき、魔女に対する隙も見えてきた。


「いけるわね!」

マミは今が好機ととらえ、魔女を前面に捕えながら横宙返りを繰り出す。
マミがたどった軌跡をなぞるようにマスケット銃が展開していき、それらの銃口が同時に火を噴くと、魔女の巨体に次々と閃光が光った。
魔弾は着実にダメージを与えているようで魔女は苦痛に悶えているように見えた。

「鹿目さん、今よ!」
「うん、まかせて!」

マミの一声に今度はまどかが動く。
まどかが魔女の巨体に向けて魔法の弓矢を思い切り引き絞ると、巨大な光の矢が生成され、辺りの空間を揺るがした。
まだあまり実戦慣れしていないまどかを鍛えるために、マミはこの魔女への止めはまどかにさせようと考えていたのだ。

(鹿目さん、魔力が凄く上がってるわね。初めて会った時よりもずっと…)

マミにとって後輩の魔法少女であるまどかの力が目に見えて上昇している。
最初のころは使い魔を倒すことさえ危なっかしかったというのに、その成長速度は自分よりもはるかに早い。

今のでちょうど魔力を最大まで溜めたあたりだろう。魔力のチャージのスピードもなかなかだ…。と、思いきやどこか様子がおかしい。
現在のまどかの実力ならあれくらいが限界だったはずだが…その限界を明らかに超えはじめ、まどかの持つ光の矢がどんどんと肥大化していく。
光がまどかの体を追い隠しても尚、それはまだ膨張する。それに伴い、空間の揺れも激しくなっていき、マミは流石に危険を感じた。

「…!鹿目さん、撃って!!」
「は、はいいぃ!」

とっさに弓矢の発射指示を下し、それを聞いたまどかも異常事態を把握していたのか、慌てて矢を魔女に向け、放った。
するとピンク色の荒々しい光の奔流が見たこともないほどに溢れだし、魔女や使い魔全てを飲み込んだかと思うと、魔女の空間に大きな亀裂を発生させ、その向こう側…現実世界の大空に向かって飛び出していった。

「………や、やった…?」
「そのようね。でも……」

魔女の結界は完全に消え去り、まどかとマミは廃ビルの屋上へと放り出された。
まどかが撃ち抜いた大空の風景はそのままで、それはまどかの強い魔力が魔女の結界を破壊していたことを裏付けていた。
マミは目の前に落ちてきたグリーフシードを拾い上げ、周辺の景色を見回す。
まどかの攻撃が街に被害をもたらしていないか、確認をしていたのだ。
しかし、見下ろす街並みに特に変わった様子は見られず、いつも通りの日常が流れているようで、マミはほっと胸をなで下ろした。

「ふう……大丈夫みたいね」
「マミさん、今のは…なんなんでしょう?マミさんの魔法ですか…?」
「何言ってるの、正真正銘あなたの力よ。…でも、鹿目さんのあなたの疑問はもっともね」

魔力の異常上昇とでも言うのだろうか。
まどかの力は確かに日々上昇していたが、明らかに桁が違うものであり、不自然だ。
何よりまどか自身に自覚がない。真っ当な成長であるなら、本人に実感があるものである。

『そうだね、僕としても驚きだよ。まどかは覚醒でもしたのかな?』
「キュゥべえ…」
「覚醒?そんなことあるの…?」

さっきまで姿を見せていなかったキュゥべえが突如現れ、二人の会話に入ってきた。
元々神出鬼没であるため、その点についてまどかとマミは特に気にしなかった。
それよりも、これまで多くの魔法少女と出会ってきているであろう彼がこの事象について詳しくないことの方が気になる。

「今まで鹿目さんのような人は居なかったの?」
『元から素質のある子は何人も見てきたけどね。でもまどかはそういうタイプじゃなかった。特に珍しくもない、そこらに居るような平凡な素質…だったんだけどね』
「キュゥべえ…少しは言葉を選びなさい」
「い、いいよマミさん、別に気にしてないから」

強がり、と言う訳でもなくまどかは本当に気にしていないだろう。
彼女は強くなりたいと思っている節はあるが、あくまで人の役に立てるためにと言うのが理由だ。

「…でも、だとすると何故…?」
『僕にもこればっかりは。まどかの魔力そのものがさっきまでとまるで次元が違うよ。
 今のとこ僕にも何が何だかわからない状況だし……。できれば今日はまどかの体を少し調べたいんだけど、どうかな』

「えっ、ええぇ!?」

まどかの顔が真っ赤に紅潮していく。まどかがキュゥべえの言葉をどう捉えたのかマミには手に取るようにわかる。
正確に言うと、マミ自身も恐らく同じように聞こえたはずだ。
当のキュゥべえはよく分かっていない様子。感情があるのかどうか分かりにくい表情ながらに、首をかしげている。

『ダメかい?今は君の体にすごく興味があるんだけどなぁ。今後の為にも隅々まで調べておかないと』
「す、隅々なんてそんなっ…ダメだよぉ!」
「鹿目さん落ち着いて。…キュゥべえ、乙女にそういう事を言うもんじゃないわよ?」
『どうしてだい?マミもまどかの身に何が起こったか、気になるんだろう?』
「デリカシーの無い子は嫌われるわよ?そういう事はあまり言っちゃダメ!」
『僕は君たち人間の体の構造については興味ないんだけどなあ。とにかく、まどかについては僕たちにとっても分からないことだらけなんだ。
 …まどか、今日は君の家にお邪魔していいかな?』
「あのね……」

その物言いは何とも失礼なものに聞こえるが、キュゥべえはキュゥべえで譲るつもりはないらしい。
もっとも彼(?)は本当に女性の体には興味などないだろう。無いだけに不安ではある。
そんな彼に大事な後輩を預けるというのは幾らなんでも気が引けるというものだ。
しかし、困ったような表情をしながらもまどかの口から出た言葉は、キュゥべえの要求を受け入れるものだった。

「…変なことしないなら、来てもいいけど」
「か、鹿目さん?無理しなくていいのよ?」
「でも、私の身に何かが起きてるんでしょ?だったらそれは早く解明させた方がいいんじゃないかなって…」
「そうかもしれないけど…」

マミの本音としてはまどかのいう事には全面的に同意である。魔力の異常成長という今までになかった事象…それが何を引き起こすかは想像がつかない。
先ほどの魔女への一撃を見るにあたり、恐らくまどか本人が制御しきれるようなものではないだろう。
仮にそれほどの魔力を一気に解放してしまったらまどかの体の方が耐えられないかもしれない。
それを防ぐためにも、キュゥべえの言うとおりまどかの体を調べるのはやっておいた方がいい。

「……いいのね?」
「はい。大丈夫だよマミさん。…ね?キュゥべえ」
「そう…偉いのね。
 …キュゥべえ?鹿目さんにおかしなことをしたら承知しないわよ?」
『…なんだかいささか面白くないけど。別にまどかを襲ったりはしないよ、僕に何の得があるわけでもないしね』
「そういう言いようもやめなさいと言ってるの!…もう、キュゥべえはそういうところをもうちょっと学ばないとね」
『訳が分からないよ』

キュゥべえは少しうんざりしたような声を出した。だがこれくらい強い釘をさすのは必要なことである。
そしてふと、まどかを横目に見ると、彼女は苦笑いになっているのが見えた。少々過保護になり過ぎたか、とも思いつつマミは自嘲する。

「じゃあマミさん、今日はもう帰るね。ちょっと早いけど」
「そうね…。あ、でもその前に…」

マミは先ほどの魔女が落としたグリーフシードを拾い上げ、まどかの手に握らせる。
まどかは手渡されたそれがグリーフシードと分かり、きょとんとした表情でマミを見つめ返していた。

「あの、今日はマミさんが使わないと…この前の私が使っちゃったし」
「いいから!あれだけの魔法を放ったんだもの、使いなさい」
「…うん、ありがとマミさん」

まどかはグリーフシードを両手で握りしめ、ぺこりとお辞儀をした。
礼儀正しいその態度がとても愛おしくマミには感じられる。
ふと、キュゥべえがまどかの肩に上る。目的優先の彼はそろそろ二人のやり取りを切り上げるように促しているようにも見えた。

「また明日ね、鹿目さん。キュゥべえも。頼んだわよ」
「はい!さよならマミさん!」
『じゃあね、マミ』

まどかはまた頭を深々と下げ、踵を返した。時々振り向いてくれてその度に笑顔で手を振ってくれる。
こんな風に明日の約束を交わし、友達と笑顔で別れるのはやはり嬉しい。
中学生となり、魔法少女になってからはプライベートな友達は作らないようにしてきた。だからこんなやり取りをするのは小学生以来だと思う。

小さくなっていくまどかの背中がやがて風景に溶け込んでいき、完全に見えなくなってしまっていた。
それでもしばらく目線をそらすことなくその背中を目で追い続ける。マミはまどかと初めて出会った頃のことを思い出していた。


その時、鹿目まどかは、魔女に襲われていた。
マミが魔女の居場所を探知して駆けつけたときには、まどかは魔女の空間で使い魔に取り囲まれているところだったのだ。
寸でのところで使い魔たち、そして魔女も撃退し、なんとか怪我をさせることもなく助け出すことが出来た。
まどかは魔女の口付けを受け、精神的にもかなり弱っていて放っておくのも危険な状態だった。
幸いにもまどかが同じ学校の後輩であったので、マミは彼女のケアに努めるように決めたのだ。
結果として、まどかは順調に元気を取り戻していった。巴マミと鹿目まどかの付き合いはここから始まったのだ。

(鹿目さん、魔法少女になって変わったわね。…というより、今のが本来の彼女なのかしら?)

まどかはマミの戦う姿に憧れを抱くようになっていき、そしてある日、自分と同じ魔法少女になりたいと言ってきたのである。
マミは出会った頃の彼女の印象に引っ張られ、当初こそ考え直すように言い聞かせてきたが、彼女の気迫に圧されたこと、キュゥべえの目に留まったことで彼女も魔法少女となった。

(鹿目さんは元気を取り戻したけど、それと引き換えに魔女と戦う使命を負うことになった。…良かったのかしら……これは)

魔法少女の使命を背負い、己の命を懸けて魔女と戦う…。その辛さ、苦しさはマミ自身がよく知っているのだ。
自分と違うところがあるとすれば、まどかには自分がついているという事だ。自分が彼女の支えになれば、少なくとも彼女は孤独に潰れることはない。

(負けられなくなったわね…!)

新たなる決意をマミは胸に抱く。一人だった頃なら自分がいつ死んでも悔いはないと思っていた。だが、もう違うのだ。
顔も知らない多くの人を助けるために戦ってきた。今は側に居るまどかのことも、マミは守っていくのだ。
…そのためにも、彼女の身に起きたことはやはり気がかりだ。
魔法少女としての力もそうだが、強い力は時として人を歪ませてしまう。まどかがそれに振り回されるとは思いたくないが…。

「…彼女の事、気に入っているのかしら?」
「!?」

背後より突然声をかけられ、マミは飛びずさり、声がした方向に構えた。すぐに変身できるようにソウルジェムも手にしている。
考えるよりも先に体が動いたのだ。まるで気配を感じなかったことにマミは不覚を覚える。

「あら…ごめんなさい、驚かすつもりはなかったのだけれど」
「あなたは…」

そこに居たのは…一人の少女。自分と同じくらいか年上か。いずれにせよ、落ち着いた雰囲気を漂わせる少女だ。
ブレザーを身に纏っていて、見滝原の学生と言うわけではないらしい。
注意深くみないと分からないが、得体のしれない…魔力のような力を感じる。
マミは臨戦態勢を取っているつもりだったが、目の前の彼女は動じる様子がない。…やはり只者ではない。
柔和な表情を浮かべてはいるが、マミも警戒を解くわけにはいかない。

「何者?」
「怖い顔しないで。あなたと事を構えるつもりはないのだから」
「………」
「…ふぅ、分かったわ。お察しの通り、私は魔法少女。名前は美国…美国織莉子」
「美国……。…私に何か用?」
「ええ。あなたはずっと警戒してるようだから単刀直入に言うわね。私に協力してほしいのよ、巴マミ」
「私の名前を……」
「あら、見滝原のベテラン魔法少女と言えば有名でなくて?」

何にせよ、こちらのことはしっかり下調べをしてると見て間違いはなさそうだ。
マミは確かに魔法少女としての実力はかなりのものを持っている。マミ自身、その自覚もあった。
だが目の前にいる少女も相当な能力を持っているようにマミは感じていた。何せ全く持って隙が見当たらないのだ。

(彼女はこちらの情報を持ち、こちらはこの子の事を一切知らない…とりあえず、話に付き合った方がよさそうね)
「私の事、随分と買ってくれてるようだけど…美国さん?私に協力してほしいことって何かしら」
「…魔法少女の真実を」
「?」
「まずはあなたに、それを知って頂きたいわ」
「真実…」
「あなたにはそれに打ち勝ってほしいの。…巴マミ」

少女…美国織莉子の柔和であった表情がキッと引き締まり、真っ直ぐ射抜くようにマミの目を見つめてきていた。
敵意は感じないが凄みのようなものは感じる。それに彼女の言う、『魔法少女の真実』という言葉。
自分が知らない情報を何か持っているというのだろうか。

(嘘を言っている…とは思えないわね。仮に嘘だとしても目的が見えてこないわ…)
「…何でも知っている風ね。どこまで知っているの?」

探りを入れるようなマミの言葉。織莉子も最初から一筋縄でいくとは思っていなかったようで、しばらく考え込んでいた。
どこまで話すべきか、それを計っているようにも思える。

「あなたの後輩、鹿目まどかのことなら…」
「鹿目さんの…?」
「鹿目まどかは今日になって強烈な魔力を覚醒させた。そうでしょう?」
「知っているの?」

まさかそれすらも知っているのかとマミは織莉子に詰め寄っていた。
あれはキュゥべえさえも首を傾げていたことなのだ。それについて知っているというのなら…本物かもしれない。
しかし今のマミにとってはそれ以上にその『情報』が欲しかった。本当か嘘かは二の次だったのだ。

「…悪いけど、原因をきちんと把握しているわけではないわ。ただ、彼女がこの先何を引き起こすか…それは知っている」
「鹿目さんが何かするというの?」
「…………」

織莉子は再び沈黙を纏った。本当は知らない…という風ではなく、やはり言葉にすべきかどうかを考えているようだ。
煮え切らないその態度にマミは少しイラつき始める。

「言えないことなのかしら?知っているのでしょう?鹿目さんに何が起こっているのかを」
「…………」
「あなたが何を握っているのか知らないけれど、悪いけどそれだけではあなたを信用できないわ」
「……鹿目まどかは」
「?」
「罪も無き…多くの人を傷つけるようになる」
「なっ……」

伏目がちだった織莉子の口から出た言葉はマミには信じ難い言葉だった。
まどかとの付き合いはそう長いわけではないのだが、彼女の人となりはそれなりに把握しているつもりだ。

「バカバカしい…。あの子がそんなこと…!」
「そう思う?…いえ、あなたの方が詳しいわよね」

当然だ、とマミは思った。鹿目まどかは本当に優しい子で、それ故に思いつめていた子なのだ。
相手を傷つけるよりも自分が傷つくことを選べる子…。そんな子が誰かを傷つける?
確かに彼女は強い力を手に入れたが、それが彼女を歪めてしまうとは考えたくない。

「鹿目さんはそんな人ではないわ…悪いけどあなたのいう事は信じられない」
「………」
「ごめんなさい。この話は…」

織莉子が協力を申し出てきてくれた時は内心嬉しいてとは思っていた。
これまでマミが出会ってきた大抵の魔法少女は話を聞かずに戦いを吹っかけてくる連中ばかりだった。
魔法少女が協力してくれるのならこれほど嬉しいことはない。…が、初対面の人に可愛い後輩をそういう風に言われてしまうのは面白くなかった。

マミが踵を返そうとした、、その時だ。
織莉子はポケットから二つ折りになった小さな紙切れを取り出し、マミに手渡してきた。
それを開いてみると、そこには場所と時間が書いてある。隣町のとある一角。そう遠くはない場所だ。

「その時間、その場所に真実があるわ…」
「ここに来いと?…さっきも言ったけどこの話は」
「鹿目まどかの事が大切なのでしょう?」
「!」
「確かに彼女は他人を傷つけることを良しとはしないでしょう。そう…『自分の意志』では」
「それって…どういう…?鹿目さんの身に何かが起きるの!?」
「…来るだけ来てくれないかしら。これ以上はあなたが自分で見ないと信じてくれないと思うの」

織莉子から手渡された紙切れを今一度見る。
真実とはいったい何のことなのだろう。まどかが他人を傷つけうるのもそれと関係しているのか。
確かに織莉子の言葉からは偽りのようなものは感じなかったが……。
ふと、マミは一つの疑問が浮かぶ。

「…このこと、キュゥべえは知っているのかしら?」
「…………」

半ば予想のしていた反応ではあるが、織莉子の表情があからさまに暗くなるのをマミは見逃さなかった。
まどかの身に起きたことはキュゥべえにも分からないこと。そしてマミが知らない魔法少女の『真実』
その秘密を彼女が知っているということは、キュゥべえの存在で何か不都合なことがあるのだろう。
こうやって話を仕掛けてきたのも、キュゥべえがこの場から消え去ったからかもしれない。

「幾らなんでも詰めが甘くないかしら?私がキュゥべえに知らせたらどうするつもりだったの?」
「……これは、私にとって賭けなのよ。巴マミ」
「賭け…」

織莉子の雰囲気が変わる。明確な敵意のようなものはまだないが、強烈なプレッシャー…威圧感のようなものは感じる。
それは恐らく、『確信を持ったもの』、『真実を知るもの』の特有の気迫だ。

「あなたが私を信じず、今言ったこと全て『彼』に打ち明けるのであればそれもいい。ただし…
 その場合、あなたと…いいえ、あなた達とは敵対関係になることも辞さない。…それだけは覚えておいて」
「………!」
「さようなら。…待ってるわ、巴さん」

織莉子は踵を返し、マミに背中を見せた。そのまま彼女は振り返ることなく去っていく。
彼女が去り際に見せた表情は最初に接触してきたような、柔和なものになっていた。
マミは織莉子の背中を見送りつつ、彼女の言葉がマミの頭をめぐる。

「魔法少女の真実……」

手のひらの紙切れを再び見る。少し前に分かれたまどかの笑顔がうっすらと見えた気がする。
美国織莉子とキュゥべえ。どちらかを信じるとしたら、マミはまだキュゥべえを選ぶ。彼はマミにとって命の恩人であり、友人なのだ。
だが織莉子の放った言葉。それはマミにとって無視できない言葉だった。

(彼女が嘘を言っている可能性が無くはないけど。…)

陽が落ちてきて風が冷たい。
ここでする決定が、自分とまどかの運命を決定づける、そんな予感がしていた。
だが…行くべきか、無視するべきか。その答えはもう自分の中で決まっていたかもしれない。
今、マミの心の内は、明日はまどかの目をどう盗むかを巡らせているのだから。



翌日、マミは織莉子に指定された場所をめざし、歩いていた。
学校帰りであり、魔女探しのパトロールも早めに切り上げたのだ。
その際、まどかに用事を聞かれたが、なんとか誤魔化した。少し寂しげな顔をされた時は流石に心が痛んだが、彼女に悟られてはいけない。
…そしてまどかの体についてだが、やはり詳しいことは判明しなかったという結果だ。キュゥべえはまだしばらくまどかの家に住み込むらしい。
…絶好のチャンス、というわけだ。これもまた、織莉子の狙い通りだろうか。

(聞きたいことは色々あるわ…美国織莉子。油断だけはしちゃいけないわね)

約束の時間まであと少しあるようだが、指定の場所まではもう間もなくと言うところだ。
昨日、織莉子と出会ってちょうど丸一日が立とうとしている…。約束の場所は日当たりが悪く、人通りも少ない。
魔女が好みそうな場所だ…など不吉なことが頭を過った、その時だ。

「!あれは…人?」

薄暗くてよく見えないが、女の子の様だ。
この近所の学校の生徒だろうか?セーラー服に身を包んでいるその少女の足元はふらふらと覚束ない。
流石に少し危なっかしく思い、マミはその少女に歩み寄ろうとした…その時。

「あ…ちょ、ちょっと!」

マミは思わず少女に駆け寄った。
少女の体が激しく揺らぎ、どさっという音と共に激しく転んだのである。
まるで意識が飛びかけてるような、危険な転び方のようにマミは思えた。
倒れた少女を抱きかかえ、マミは彼女に語りかける。

「あなた、大丈夫!?しっかり!」
「うっ、ううう………」

幸いにもまだ意識はある。今すぐに救急車を呼べばこの子は助かる。
マミはケータイを取り出し、電話のダイヤルを押す。
…だが119をコールしようという、まさにその瞬間。マミの腕の中の少女が不敵に唇の端を釣り上げた。

「見つけ…た…!魔法、少女……!」
「えっ?」

刹那、少女の体全体が激しく光を放ち、暗闇に慣れていたマミの目はその機能を失う。
更には腕の中がふっと軽くなったかと思うと、気付いた時には腹部への激しい痛みと共に、体全体が地面に叩きつけられていた。

「うあっ……!?」

思わず低い悲鳴を上げてしまう。何とか身体を起こし、自分の身に何が起こったのかを把握しようとする。
まだ完全には戻らない視界を凝らし、マミはあの少女を探す。彼女が何かをやったのは間違いない。
…いや、彼女の言葉を思い出せばすぐに分かる。
ともかく、相手に有利な状況を与えてはいけない。マミは時間を稼ぐこともかねて、姿の見えない少女に語りかけた

「あなた…魔法少女ね……!」
「はっ、はは…そうだよ。あ、あんたも、ね」

彼女の息は切れかかっている。身体の調子が悪いのは本当らしい。
よく耳を澄ませる。あんな荒い息遣いなら落ち着いていれば場所を見つけられる。視力の回復もあと少し時間があれば…。

「体の調子が良くないのでしょう?そんな状態で無理に魔法を使っては下手をすると命に関わるわ!」
「分かっ、てる。だから、だ……。あんたの、グリ、ーフシー、ド…私に………寄越せぇぇぇぇ!」
「!」

殺気と魔力の波動が同時にマミに向けられた。
マミは己の身体を魔法で強化し、宙に高くジャンプした。少女の魔法がコンクリートを砕き、物々しく激しい音を奏でる。
マミは身体を半回転させ、華麗に地面へと着地すると、そこに少女の連撃がさらに叩き込まれる。
が、魔法が放たれればその都度殺気を感じとり、避ける。先鋭された魔法少女としての感が、目が見えないハンディを何とか埋めているのだ。
攻撃と回避の繰り返しで、彼女の魔法がマミに直撃することはなかった。

(威力ばかり重視して攻撃が単調すぎる。余裕がないのね…)

殺気を察知しただけで攻撃を避けてきたマミだが、その視界も少しずつ回復して来ていた。
姿が見えれば避けるだけでは終わらない。相手の攻撃の正体もより正確に見えてくる。

「彼女の武器……チャクラム?」

少女の周りに浮く光を纏ったリング。あの輝きは魔力に間違いないだろう。
それにしてもあの類の武器ならば、放った後で自由に軌道を変更できるはず。
にもかかわらず直線的な攻撃しかやって来なかったというのは、やはり相手が平静でない証拠だろう。
そんな相手にやられるほど、マミは甘くないつもりだ。
ソウルジェムを取り出し、変身を試みようとした。

「まずはあの子の動きを…!」

ソウルジェムを構え、変身しようとした時、少女の身に異変が見えた。
魔力の渦に包まれ激しく回転していたチャクラムは急激に光を失っていき、やがて宙にも浮いてられなくなってカランと地面に落ちた。
同時に、それを操っていた相手の魔法少女もがっくりと膝を折り、地面に突っ伏した。
変身も解け、元の制服姿へと戻っており、ついに彼女に限界が訪れたことが分かる。
マミは少し警戒しながらも、彼女のもとに歩み寄った。
この時ようやく少女の顔をしっかり見ることができたが、その表情は悲しみと絶望に満ちているように涙でぐしゃぐしゃだった。

「やだあ…死にたく…死に、たく…ないぃぃ……」
「ッ…」
「助け、て…。グリーフ……シード………」

……助けてくれたかもしれない人に手をあげ、あまつさえ勝手に自滅しかけて命を乞う。
今の彼女を見て、彼女を愚かしく身勝手だと感じる人は少なくないはずだ。
だがマミは、実際に死の目にあった立場として、彼女を責めることは出来なかった。
今の彼女の姿は、かつて事故にあった際、両親を見捨てて自分だけが助かることを願った、あの時の自分と重なるのだ。
ただ違うのは…マミには今の彼女を救えるかもしれないということだ。

(私の魔法で回復させることが出来れば…)

マミは少女の体を抱きかかえ、癒しの念を彼女に送る。祈りは力となり、暖かな光が彼女を包み込んでいく。
簡単な病気や怪我ならこれで癒すことができるが、これほどまでに弱った人を回復させたことは経験がない。せめて応急処置にでもなれば…
そう思ったが、少女の体調は一向に良くならない。むしろ時間を置いたからか悪化しているようにも思える。

「魔法が効かない…?」
「はぁ…はぁ…。ち、ちが…まりょ…く……」
「魔力…?」

見てみれば少女の手のひらには、輝きを失い、真っ黒に染まりあがったソウルジェムが収まっており、マミは驚愕した。
自分のソウルジェムが多少濁ったことはあるが、ここまで黒々としているものは見たことが無い。
元はどんな輝きをしていたのか全く分からない。まるで最初からその色だったように思えるほどだ。
少女が苦しむ原因とは、これなのだろうか。

「なんでこんなになるまで魔法を…」
「はや、く…ま、魔女に……まえ…に………グリーフ…シードを……」

魔法少女の魔力を回復させるための、魔女の卵…グリーフシード。
魔法少女にとってこれがあるとないとでは死活問題なのだ。
常に最善の状態で魔法を使うため、大抵の魔法少女はこのグリーフシードを携行しているものだがマミはこれを持ち歩いてはいない。
一時期はマミも常に一つ持っていたのだが、今は持ち歩かないようにしている。
その方がマミにとっては心地よく身体を動かせるのである。
…だが流石に、今この時は自分のそのスタイルを呪った。
マミは少女の体を優しく抱きかかえる。それしかできることが無いからだ。

「助け…助けて……」
「…ごめんなさい。私はグリーフシードを持ってないの。
 でも大丈夫。もうすぐもう一人の魔法少女が来るはず。その子ならきっと……
 それまで私がついてるわ、あきらめないで」
「やだぁ…間に、合わない…。し、死んじゃうぅぅぅ……」
(ソウルジェムが濁るとここまで苦しいものなの…?)

ソウルジェムが濁って失うものは魔力だけだと思っていたが、まさか違うのだろうか。
ともかく織莉子が早く来てくれるのを祈るしかない。それまでは彼女を安心させるのが先決だ。
彼女が握る、禍々しく真っ黒なソウルジェム。
自分のソウルジェムもまたいつかこんな風に濁る日が来るのか…と訝しげにそれを見つめていると、少女のジェムに異変が起き始める。
ジェムの中で渦巻いていた暗黒の霧……。それがなんと、見る見るうちに溢れ出てくるのである。

「なっ……!?穢れが…!」
「あっ…あああああああああああああああああああああ!!!」
「ッ、落ち着いて!大丈夫だから…!」

発狂する少女を宥めようとするマミの声もまた、殆ど悲鳴のような叫び声になっていた。
どう見たってもう一刻の猶予もない。
まだかまだかと織莉子を待ち続けるマミに、ふと何かが割れるような音が聞こえる気がした。
が、それが何かを確かめる余裕もなく、ジェムから溢れ出る光は勢いを増していき、マミ達の体さえも包み込んでいく。

「この邪悪な魔力…これは、この感じは…?」

視界が完全に闇に阻まれていき、絶体絶命…。マミは思わず覚悟を決めた。
が、次の瞬間には視界が綺麗に晴れ、黒い霧も消滅していた。かといってそこにさっきと同じ空間が広がっているわけでもない。
身体を強張らせるマミの目線に飛び込んできたのは、薄暗い路地裏ではなく、魔法少女の宿敵と命のやり取りをする空間。

「ま、魔女の空間…!」

さっきまで魔女の気配など一切なかったはずだ。それなのにこのような空間が突然現れる。
そういう特性を持った魔女が近づいてきたのかとマミは疑う。マミが持つソウルジェムは魔女の存在を知らせてはいない…。
いや、ちょうどその時だ。マミが手にしていたソウルジェムが魔女を察知し強く輝きだしたのだ。
そして次に目に入ったのが、少女のソウルジェム。正確にはそのなれの果て。バラバラになったソウルジェムだった。

「ソウルジェムが穢れに耐えられなくて砕けたというの…?それでこの空間が…それって、まさか…」

矢継ぎ早に襲い掛かる次々とした情報にも、マミはまだ冷静で居られる。それが却って恐ろしくもマミ自身は感じていた。

『魔法少女の真実』―美国織莉子から聞かされた言葉が鮮明に頭を駆け巡る。
もう目の前にそれがある。それを知る、一歩手前まで来ている。マミは思考を動かしたくなかった。
『真実』に自分自身が否定される。そんな気がしたからだ。
それでも事態はそんなことを許してはくれない。

マミの腕の中で微動だに動こうとしない少女。
彼女の手の中でばらばらに砕け散ったほのかな輝きが彼女のジェムの本来の輝きを教えている。
そして、彼女の胸元でふわふわと浮いている、邪悪な物体。少女が先ほどまで、何が何でも欲しがっていたもの。
恐らくそれは…マミの予想では。彼女自身が生み出したであろうもの。

「グリーフ、シード……!」

穢れで満ちた真っ黒なグリーフシード。ソウルジェムの穢れを癒すことなど到底できないだろう。
孵化寸前の魔女の卵は魔力を迸らせ、そして……マミの目の前で、ついに孵る。

形が整っていたグリーフシードが歪んでいき、膨張していく。
マミは慌てて少女の体を抱きかかえ、変化するグリーフシードから距離を置いた。
グリーフシードは人を潰さんとするほどに肥大化していき、マミは魔女誕生の瞬間をその目で目撃することになった。

赤黒くえげつない色を宿した大木のような姿。幹の中心には…少女にそっくりな女性の上半身のオブジェがあり、感情のない目でマミを見ていた。
マミは分かってしまった。確信してしまった。
魔法少女が。魔女になった。


「こんな…こんなことが…!」
『っきうkjthhえhkとhけへけけkkっけdk』

意味不明で耳障りな魔女の声がマミの鼓膜を揺るがす。
ただただ現実を突き付けられているようで、胸が苦しい。
それでも拒絶をし続けていると、ついに魔女が攻撃を開始する。大木から伸びる巨大な枝が伸び、マミに向けて一斉に放たれた。

「くっ………!」

少女を抱きかかえたまま、マミは反射的に飛びずさる。
魔女の触手は次々と地面に突き刺さり、地面を抉った。
マミはソウルジェムを手にして掲げるが、変身することが出来ない。
正確にはマミの心の中に引っ掛かりができ、それを邪魔するのである。

(わ、私も…この子のようになると言うの…?)

かつて家族を見捨てて自分だけが助かってしまい、その贖罪として魔女を退治してきた。
だがこれでは…いずれ魔女になってしまうということは、自分がやってることは一体なんなのだろう。
罪無き多くの人を助ける魔法少女が、人を喰い殺す魔女になる。
そして自分が今まで倒してきた魔女も…かつては魔法少女だった。
事実を確認するほどに戦う意思は削がれていき、マミの動きも鈍っていく。

マミの精神の乱れを魔女は察知し、その隙を突く。
人の心を喰う魔女にとって、今のマミは恰好の餌なのだ。
魔女は多くの触手を束ね、マミに向けて撃ち放ってきた。当たれば一巻の終わり…

「あ………」

マミはそれに反応することが出来なかった。死が迫るその間際、以外にもマミは冷静であった。
確実な死を前に、思い残した事がないかを浮かべている。
両親はもう居ない。学校の友人も…踏み込んだ仲の人は居ない。…いつか魔女に殺される日が来るだろうと思って戦ってきたのだ。
魔法少女の末路を知った今、未練などない…。

いよいよ魔女の攻撃が目前にまで迫ってきた。マミは既にそれを受ける覚悟…と言うより、諦めがあった。




(よ、よろしくお願いしますマミさん!)




(!)

捨ててしまっても良いと思っていた思い出の中からたった一つだけ。鹿目まどかが魔法少女になったときの記憶が鮮明に思い起こされた。
まだ自分に自信を持てきれていなかった彼女…マミに出来たかわいい後輩。
何も知らない彼女を残して…今死んでしまっていいのか?マミは自問する。

「鹿目さん…!」

だが、間に合わない。もう魔女の攻撃は目の前だ。変身する暇もない。
こんなところで心残りが出来るなんて。
『死にたくない』…その思いだけが虚しく響く。

…だが。果たして魔女の攻撃はマミに届くことはなく、マミの目前では魔力で出来たらしき球体が激しくフラッシュしながら触手を受け止めていた。
マミの魔法ではない。…一体何事がおきているのだろうか。
するとマミの耳に聞き覚えの新しい声が届いた。

「来てくれたのね、巴マミ」
「…あなたは」

美国織莉子。
マミをこの時間、この場所に呼び出した張本人。
昨日の学校の制服とは違い、白きドレスに身を纏ってはいるが、漂わせている雰囲気は織莉子に間違いない。
真っ白なドレスは清潔さよりも、生気の無さのような雰囲気を感じるのが印象的だ。

「下がってて」

マミの背後から現れた彼女は、ゆっくりとマミの前に出る。
魔女の触手を受け止める魔法の球体はこの美国織莉子の物らしい。
織莉子は手をかざし、魔力を込めているようだ。球体は輝きを強めていき、そして爆音とともに破裂した。

「うg。lryぎあおkbbbんdがjあkkk!!!」

魔女の巨大な触手は見る影もなく抉れている。
与えているダメージは見とれて分かり、悲鳴となってマミの鼓膜を揺るがす。
織莉子は同じような球体をさらに展開させ、魔女に次々と炸裂させていった。
その様子に最初は呆けていたマミだったが、自分が抱いている少女の存在を思い出してハッとなる。
あの魔女がこの少女から生まれたものだとするのなら…

「美国さん!あの魔女は…!」
「そう…この魔女はその子のソウルジェムから生まれたもの。あなたが見たとおりよ」
「あの魔女を倒してしまったらこの子は助からないんじゃないの!?何とかして…」
「無理よ」
「どうしてっ…!」
「…後で話すわ。まずは、落ち着いてからでないと…ね」

織莉子の追撃は凄まじいもので、魔女に対して一切の反撃を許さない。
まるで魔女の動きが手に取るように分かっているかのように、だ。反撃の隙さえ与えない猛攻に魔女はボロボロになっていく。
唯一、魔女が人間の少女だった頃を思い起こさせる女性のオブジェもまた破壊されており、マミは思わず目をそらしてしまう。

「目を逸らさないで」
「そんな…」
「魔法少女の辿る運命。辛いでしょうけど、その目に焼き付けるのよ…巴マミ」

今までだってずっと見てきた、魔女が絶命する瞬間なのに、こんなに恐怖を感じるとは思わなかった。
マミは頬をつたう涙を払う余裕もなく、歯を食いしばるように魔女を見つめなおす。
織莉子に諭されたからかどうかは自分でもよく分からない。

「魔法少女の真実…これが…!」
「………。…キリカ、止めよ」

織莉子が何かをぼそりと呟いた。その瞬間、魔女の巨体に白銀のきらめきが一閃入り、魔女の一部を叩き切った。
織莉子の魔法…とは違うようだ。
瞬く間にも、次々と閃光が走り、その度に魔女の体は切断されていく。
そして遂に最後。女性のオブジェに刃が突き刺さった後、魔女の体は完全に崩れ落ち、崩壊してしまった。

「………!」

マミの目の前にグリーフシードが落ちてきた。穢れは消え去り、ソウルジェムを癒すことができる状態のグリーフシード。
それを拾い上げたのは美国織莉子。織莉子は改めてマミを見つめてきていた。
その表情は複雑で、優しさと悲しさ、…そして強い決意が宿っているようにも感じる。

「美国さん…」
「巴マミ。私のお話…聞いてくださるかしら?」

【真実】…かの言葉の重みが今になってマミの心にのしかかる。
だがこれを見て今更、後に引き返せるようなものではない。マミはもはや、進むことしか残されてなかった。
織莉子の言葉に少しでも乗った時から決まっていたのである。

「………」

織莉子が右手をそっと差し出してきた。
マミは少女の体を片手でしっかと抱きしめ、…そして、美国織莉子の手を取った。






つづく
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こなゆきガンタンク

Author:こなゆきガンタンク
らき☆すた大好き。高良みゆきは俺の嫁だが、こなた×みゆきの百合も好き。広橋涼のこなたをはじめ、らき☆すた初代声優を応援している。らき☆すた以外ではガンダム。種厨のシン厨、でもTVシリーズは大体網羅してるよ! ニコニコで動画を作ったりSSを書いたりもする。
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